僕から投げた礫・・・。
彼の返答を待っていると、渋い顔をした彼が、
口を開いた。
・・・時間が無いですから・・・・
・・・俺の画は子供向けじゃないから・・・
頭の中で否定的な言葉が広がって行く・・。
やはり、ダメなのだろうか・・・。
デッサンを見たとき、今にもコーヒーがそこから出てきて、
熱さが伝わりなおかつ、香りが広がる温かな絵に惹かれたんだ。
ダメもとでお願いしたんだから、あきらめなきゃいけないのかな・・。
聞けば、バイトを2か所掛け持ちでしながら絵を描き続けてるって言ってたし・・。
彼が描く小人や妖精や木々・・・太陽や月・・・
見てみたいと思ったんだけど・・・。
「あの・・・」
やっぱり駄目かな・・・。
「俺でよかったら、描いてみたいです。」
「えっ?」
「時間は空いているときに描くので連絡先を教えていただけるといいんですが///」
「・・・・・あっ、はい///勿論です///」
彼に、FAX番号を教え、描いた絵を随時、送ってくれるという約束もできた///
時間的に本屋のバイトに帰った彼は もう一つのバイト先に連絡をして
急遽休みを取り、また数時間後に戻ってくれた。
僕が地方の方からやってきていて、時間が無いことを考慮してくれたんだ。
まずは、僕の原稿のコピーを読んでイメージはこうだと伝える作業。
「じゃ、始めますね・・。」
「はい。」
「出だしの部分ですが・・・。」
「・・・・・・・・・」
耳を傾け、ちょっとでも疑問な時には質問してくれたり、
僕が言うイメージを事細かくデッサンしてくれたりと、
大まかな所まではいきつけた。
「あの・・・今日はここまでで・・。また、明日。」
「ああ、ほんとだ。時間がたりないなあ・・・。」
「こんなに遅くなるまで、ほんと、ありがとうございます。///」
ほんと、あと少しで零時を回りそうなんだけど・・。
「あっ、やばっ、終電が無くなっちまう・・。じゃ、また、あした・・。先輩!!また、明日。」
≪おお、またな。お疲れ。≫
「あっ、気を付けて///」
立ち上がり見送れば、颯爽と走って帰る彼の後ろ姿。
明日は明日で、本屋のバイトがシフト上たまたま休みだったからと、
10時くらいの約束をしてくれた。
明日は僕も向こうの方へと帰らなければならない。
簡単に終わる仕事ではないことくらいわかるんだけど・・・・。
彼っていつ寝てるんだろうか?
いつ自分の絵を描いているんだろうか?
こんなお願してて申し訳ないんだけど、そんなことがふと頭に過るんだ。
テーブルの上の原稿や走り書きしたメモやら・・・、
それらを片付けているときに手にしたコーヒーの絵。
「これ・・・・しまっておこう・・・。」
誰が見ているわけでもないのに、そっと原稿の中に忍ばせた。
・・・・なんかドキドキだよね////・・・・
そんな含み笑いをしながら、会社を出ていつものホテルへと向かった僕だったんだ。
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